Salesforceは顧客情報や商談の管理など、営業活動における様々な業務を効率化できるクラウドベースのアプリケーションです。
2020年、コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークの本格導入を実施する企業が増える中でこのようなクラウドベースのプラットフォームは急成長しています。
一方で、このようなクラウドアプリケーションであればデータは提供事業者のシステム上に保存されるためバックアップは不要であると誤解が生まれているケースは少なくありません。
本記事ではSalesforceのバックアップやデータ保護がなぜ重要なのか、データ損失と回復についても解説します。
目次
クラウドならデータは安全なのか
Salesforce等、クラウドベースのアプリケーションは提供事業者の運用しているシステムをインターネット経由で利用することのできるサービスで、SaaS(Software as a Service)とも言われます。
クラウドアプリケーションであるSalesforceの利用で生じるデータはどこに保存されるのでしょうか。
ご存知の通り、データはSalesforceのシステム上つまりクラウド上に保存されます。
世界トップレベルのシェアを誇り、セキュリティも万全なSalesforceであれば安心だしユーザー側がデータをバックアップする必要はないんじゃないの?と思っておられる方がたくさんいらっしゃいます。
実はこれは大きな誤解であります。
Salesforceは災害復旧の目的でお客様のデータのコピーを保持していますが、ユーザー側のミスや悪意などによるデータ損失のリスクはカバーできません。
Salesforceでのデータ損失は、顧客管理や営業支援を利用している場合は既存企業に対してのカスタマーサクセスに利用するデータが損失するということ、営業支援であれば今後売上を増やすにあたってのターゲットデータ等が損失することを意味します。
これは企業にとって多大な損失であることは容易に想像できますね。
Salesforceのバックアップの重要性
Salesforceの重要なデータとメタデータのバックアップが重要である理由は以下の通りです。
データ回復サービスの廃止
Salesforceでは有償でのデータ回復サービスを行っていましたが、本サービスではプロセスの完了まで6~8週間かかる上100%の復元が保証できないといった背景から、2020年7月31日付で廃止されました。
人為的ミスによるデータ削除
企業のデータ損失で最も多いのが、人為的ミスによるものです。これはオンプレミスでもクラウドでも同様にデータ損失の危険性を秘めています。
悪意を持ったユーザーによるデータ破壊
企業内部の不満を抱えたユーザーが悪意を持ってSalesforce上データやレコードを破壊してしまうケースや、隠ぺいなどを目的として意図的なデータ改ざん、削除をした場合はより厄介な事態に陥る可能性があります。
ゴミ箱機能の制限
Salesforceのゴミ箱は、基本的には15日間しか保存されません。もし悪意や隠ぺいによる意図的なデータ削除だった場合、事が発覚するのはある程度の期間が経過してからというケースは多く、十分とは言えないでしょう。
Salesforceがバックアップを推奨
Salesforceでは、ユーザー自身がデータのバックアップ及び回復戦略を立てておくことが重要であるとした上で、以下の理由を挙げると共に、サードパーティー製品(サービス)でのバックアップも推奨しています。
データのバックアップが必要な理由は?
ユーザやシステム管理者が、意図的に行った場合を含め、大量のデータの削除やレコードの変更をした後に、その操作が間違いであったことに気付くという状況に陥ることがあります。データローダのようなツールを使用すれば、レコードの削除や更新を簡単に一括処理することができるため、ソースファイルや項目の対応付けのちょっとした間違いによってデータに惨事がもたらされるおそれがあります。データを定期的にバックアップすることと、組織で大規模なデータプロジェクトを進める前の段階で必ず手動のバックアップを行うことをお勧めします。メタデータのバックアップが必要な理由は?
ユーザが誤ってレコードを削除または変更してしまうことがあるように、システム管理者や開発者 (および高度な権限を有するユーザ) も、カスタム項目の追加または削除、ページレイアウトの変更、レポートやダッシュボードの削除または変更、カスタムコードの変更など、設定を簡単に変更できてしまいます。こうした変更の多くは元に戻すことができないため、以前の設定を復元する必要が生じた場合にフォールバックできるように、メタデータのコピーを取っておくことが重要です。サードパーティ製品
AppExchange には、パートナーが提供する多数のデータバックアップソリューションが揃っています。そのいくつかはより包括的で、データとメタデータの両方のバックアップを自動化し、対象データを簡単に復元するメカニズムを備えています。
Druva inSyncによるSalesforceのデータ保護
以上のように、Salesforceはサードパーティー製品でのバックアップ・データ保護を推奨しています。
「Druva inSync」は、SaaSデータ保護において幅広く認知されているリーダーで、Salesforce のデータとメタデータのバックアップと復元を総合的に制御できます。Salesforceのデータとメタデータ両方を含むポイントインタイムスナップショットを作成することで、複数の障害シナリオから短時間かつ簡単に復元できます。
万が一重要なデータを損失した場合でも、Druva inSyncがあれば、2つの任意のポイントインタイムスナップショットを簡単に比較したり、一括処理によって必要なデータとメタデータを短時間で復元できます。
Druva inSyncは、SalesforceだけでなくMicrosoft 365やGoogle Workspace(旧:G Suite)といったクラウドアプリの他、従業員が使用する社内外のPCやモバイル端末といったエンドポイントのデータ保護・情報漏洩対策も一元管理でき、より包括的なデータ保護が可能です。
Druva inSync Salesforce 保護ソリューションの主な特長
複数の Salesforce 組織(本番とサンドボックス)をサポート
すべての標準オブジェクトとカスタムオブジェクト、ファイル、添付ファイル、メタデータを保護
ポイントインタイムスナップショットをクラウドに置くことで Salesforce 管理者はどんな状況からでも簡単に復元可能
オンデマンドバックアップと管理者が指定した時間に実行するバックアップに対応(最短で 4 時間ごと)
組織に追加されたオブジェクト、一時的な操作のために削除または編集されたオブジェクトの詳細を提供
データを長期にわたって保持
2 つのポイントインタイムスナップショットを比較するだけで親子関係を復元し、削除または更新されたレコードとメタデータを復元
一括処理による組織をまたいだ復元により、災害から復旧したり、サンドボックスにデータを提供
任意のポイントインタイムスナップショットからオブジェクトとメタデータを選んでダウンロード
Salesforce 管理者による API 制限の設定をサポート
モニタリング、レポーティング、メールアラートの各機能によりデータバックアップを可視化